マリスト医師会

教授紹介

教授紹介

佐土原 道人

(26期)
熊本大学 平成7年卒
宮崎大学医学部総合診療科学講座 教授
[ 令和8年 - ]
https://www.cc.miyazaki-u.ac.jp/soushin/

2026年4月1日付けで宮崎大学医学部総合診療科学講座教授を拝命いたしました。 私は熊本県八代市の出身で、中学、高校の6年間を熊本マリスト学園で過ごしました。中学時代は寮、高校時代は下宿で生活し、英語劇部に所属していました。自由な雰囲気の中で親元を離れ、仲間と過ごした6年間は、良い経験となりました。 父は八代で内科医院を開業しており、当時の開業医は内科疾患だけでなく、小児から高齢者まで何でも診て、必要があれば往診にも出向く、地域の「何でも相談できる医師」でした。私は父の医院を継ぐ道は選びませんでしたが、その診療する姿を身近に見て育ったことは、後に総合診療を志す原点になったように思います。
1995年に熊本大学を卒業後、特定の医局には所属せず、民間病院グループで複数診療科をローテーションしました。内科を中心に、循環器、消化器、呼吸器などの専門診療や手技も経験し、グループの全国各地の病院で診療に携わりました。救急医療も継続的に係ってきました。地域を移るたびに、専門性の「深さ」以上に、多様な患者さんに対応できる「広さ」を求められるようになり、次第にその広さそのものを自らの専門性と考えるようになりました。熊本地震の翌年の2017年からは熊本大学病院地域医療・総合診療実践学寄附講座に所属し、地域枠学生のキャリア支援や2018年から開始された日本専門医機構総合診療専門医の育成に従事してきました。総合診療の道を選ぶのに総合内科が私の背景ですが、米国内科学会(ACP)日本支部では、医師のWell-beingやバーンアウトに関する活動にも取り組んでいます。医療を持続可能なものにするためには、それを担う医師自身が健康に、やりがいを持って働き続けられることも大切だと考えています。
赴任した宮崎県は医師少数県であり、医師偏在指標でも全国の下位3分の1に位置します。人口減少と高齢化も進んでおり、いわば日本全体が20~30年後に直面する医療の姿を先取りしている地域ともいえます。だからこそ宮崎には、これからの日本の地域医療のあり方を考え、新しいモデルをつくる意義があると感じています。
宮崎大学では、以前から医学部教育の中で、期間、内容ともに充実した地域医療実習に取り組んできました。新設された総合診療科学講座では、これをさらに発展させるとともに、新たに総合診療学の教育を開始し、地域医療学の内容も刷新しました。さらに大学病院における総合診療科の立ち上げにも着手しています。学生教育から臨床研修、専門研修、そして地域での診療までをつなぎ、「地域を知り、地域で育ち、地域に定着する」医師を育てることが、これからの私の仕事だと考えています。マリストの諸先輩方、同窓の皆様には、今後ともご指導、ご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

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